ニップ幅をデジタル測定し印刷ローラー調整を効率化

太成二葉産業株式会社 様 導入事例

太成二葉産業株式会社 様

オフセット印刷で安定した印刷品質を維持するためには、印刷ローラーのニップ幅(接触幅)の定期的な確認・調整が欠かせません。従来は、ローラーにインキをつけ転写されたインキ幅を測る"目視"が一般的でしたが、計測者によって微妙な差が出る、正確に数値化できないなどの課題が多かったのも事実です。「ローラーニップインディケーター」の導入により、それらを解決した太成二葉産業株式会社の製造部部長・堀内靖之氏を訪ねました。


太成二葉産業の設立は1949年。印刷物の表面加工や箔押などを幅広く手がけてきた同社は、1995年に印刷部門を新設し、ハイデルベルグ社製印刷機と印版設備一式を導入して、新たなスタートを切りました。当初、印刷に関しては部員全員が未経験者。だからこそ、機器の操作も色の調整も感覚に頼るのではなく、できるだけ標準化を図り、明確な数値として共有することを方針として掲げてきました。

印刷機ごとの担当をあえて決めないのも同社の特徴であり、従業員はすべての機器を偏りなく操作・整備できることが求められます。「同じ人間が同じ機械だけを使ってメンテナンスまで行い、担当者しかその機械を正確に把握できていないという状況は、会社にとってはリスクだと感じます」と堀内氏は製造部部長としての考えを示します。

熟練工でも誤差が生じるニップ幅の測定

標準化の徹底を進める同社だからこそ、印刷物の品質を守るため、印刷に関わるプロセス管理をいかにデジタル化していくかは常に課題となっています。

特にオフセット印刷において、インキローラー間のニップ幅、または版胴とインキローラー・水つけローラー間のニップ幅の調整は重要な管理項目です。ニップ幅はインキの特性やローラーの経年劣化、印刷環境などによって容易に変化します。ニップ幅が不安定だと、想定通りに色がローラーを転移していかず、仕上が りにも影響を与えることに。また、ローラーにかかる圧力が必要以上に強いとローラー自体の劣化につながり、故障の原因ともなりえます。

ローラーの調整には熟練が求められるため、同社でも通常は経験豊富な機長(リーダー)の仕事とされてきました。しかし実際には、目視で行うニップ幅の測定は、ベテランの従業員であっても人によって測定値に微妙な誤差が出るのが現実でした。

太成二葉産業株式会社 様 導入事例製造部部長 堀内靖之氏

経験と感覚に頼った作業を大幅改善

ガデリウスの営業担当者からの紹介で、堀内氏がローラーニップインディケーター導入を決めたのは2010年9月。誰が測定しても0.1ミリ単位で正確な数値が表示されるという、本製品ならではの特性を評価しての決定でした。

導入から半年後。ローラー調整のため本製品を利用する現場の機長からは、「作業効率がアップした」との声が上がっています。「これまでは月に一度、約一時間かかっていたローラー調整時間が40分まで短縮されました。はっきりと数値化されることにより経験が浅い人にも調整作業を任せることが出来るという点で優れていると思います」。

印刷部門を管理する立場として、堀内氏も本製品の導入には意義と手応えを感じています。「ローラーニップインディケーターは、導入コストを印刷費に反映してすぐに利益を出せるというものではないかもしれません。しかし、プロセスを数値管理し標準化していくという当社の方針には非常にマッチし、従業員の経験と感覚に頼った作業を減らして、ローラートラブルを未然に防げるという大きな利点があります」

太成二葉産業株式会社 様 導入事例

業界に新しい風を起こす製品提案を

太成二葉産業とガデリウスとのお付き合いは、ガデリウス取扱製品であるブランケットの採用をきっかけに6年以上にのぼります。ローラーニップインディケーターが導入となる以前から、新商材の紹介のため何度となく営業担当が足を運ぶことを堀内氏は評価し、「印刷業界は近年厳しい状況 に置かれていますが、そんな中だからこそ業界の既成概念を打ち破るような最先端のものをハードでもソフトでも仕入れ、どんどん紹介していいただきたいですね」と期待感を語ってくれました。

今後は、カーボンフットプリント(CO2の「見える化」)の導入など、環境対策も課題に考えているという堀内氏。太成二葉産業をはじめ多くのお客さまの事業展開を支えるため、ガデリウスは世界各国でさまざまな画期的製品を見出し、より良い提案に努めていきます。

ガデリウスはブランケットをはじめ、 さらに新たな製品の提案で、 多くの印刷 ・ 加工会社に貢献したいと 考えています。


太成二葉産業株式会社 様 導入事例

企業情報

会社名 太成二葉産業株式会社
創業 1962年9月15日
代表取締役社長 荻野 隆
従業員 91名
本社 〒537-0001 大阪府大阪市東成区深江北3-17-15
tel:06-6976-1121 fax:06-6976-1130 URL:https://www.tims-net.co.jp/