ランウェイセーフ・グループ
greenEMASシステム「オーバーラン時航空機拘束装置」
スウェーデンを拠点とするランウェイセーフ・グループ社は、航空機のオーバーランを軽減する「オーバーラン時航空機拘束装置」に特化したメーカーです。ランウェイセーフ・グループ社が取り扱うgreenEMAS(アレスティングシステム)は、世界初で唯一、環境に配慮した持続可能なシステムとなっております。健全な投資、確実な設置、そして最も重要なことは、航空機のオーバーラン時の安全停止であり、拡大を続け新たな需要が見込まれる空の旅や航空機の増加に伴い、滑走路の可動域を軽減した空港が世界中に設置されています。
ランウェイセーフ・グループ社は、革新的なEMASソリューションを提案するだけでなく、耐久性やコスト効率に優れた持続可能の高いソリューションである、世界初で唯一のgreen EMASを提供することにより、航空機のオーバーランを軽減することを可能にいたしました。日本の空の旅に、安全性の高い、環境に優しい、優れた製品を提供することをお約束いたします。
オーバーランは何故起こるのか?
滑走路の汚染、悪天候、機械的な故障、パイロットミスまたは不安定なアプローチ等、滑走路オーバーランには多くの原因が考えられます。
そのような予測不可能なオーバーランを防ぐために、ランウェイセーフ・グループ社 greenEMASは航空機の重量で圧潰されるように設計されており、航空機のスピードを急速に減速し、安全な停止をもたらします。
ランウェイセーフ・グループ社のgreenEMASシステムの特徴
世界初で唯一のgreenEMASシステム
アレスティングシステム(EMAS)は、航空機の重量で圧潰されるように設計されたエネルギー吸収素材を用いたアレスターベッドです。迅速に減速し、安全な停止をもたらします。
総コストが低い
特許を取得した設計、設置工事やメンテナンスの容易さ、および最上の保守サービスにより、総コストを削減することを可能にいたしました。ランウェイセーフ・グループ社は、最初の相談から設置工事に至るまで、EMASベッドの全期間を通して、全てのお客様が最高レベルのサポートを受けられるように徹底いたします。
環境に優しい資源
現在、市場で環境に優しいEMASソリューションを提供しているのはランウェイセーフ・グループ社だけです。主な建設材料は、発泡ガラスとして知られているリサイクル・エネルギー吸収型・バラ充填 (素材リサイクルガラスを原料とする軽量発泡骨材)です。この製品は、セメントやポリマーをベースにした発泡骨材を使用するのではなく、十分に活用されていないリサイクル材料を利用しています。
設置工事が容易
ランウェイセーフ・グループ社のEMASベッドは全て、環境ニーズに合わせて建設しています。発泡ガラス材は、バラの状態で現場に搬入することができ、適切な高さにならした後、恒久的な被覆層で覆います。当社の技術チームは、お客様と協力し、法令の順守、システムの詳しい説明、現場の調査、現場の設計、詳細な工事仕様の作成、費用見積もり、工事日程および/または工事の実現性を確実に行います。
優れた耐久性
特許を取得した、クラッシャブルな発泡ガラス材を耐久性のあるポリマーコンクリートカバーで覆う設計により、滑走路の過酷な環境に耐えられるようになっています。転圧および被覆されたベッドでは、常に優れた試験の結果が得られています。
設計について
greenEMASの性能と設計は、特定の滑走路や空港に関して個別に調整されています。詳細な性能レポートには、指定された滑走路向けの異なる航空機の種類とEMASの使用可能領域が集約され、記載されています。航空機のデータ、航空機の種類、運行数、および他の関連情報の詳細を受け取り、特定の航空機を最も効果的に停止させる性能を持つgreenEMASが設計されます。
機能について
greenEMASは、ベッド成分が圧潰されることにより航空機のエネルギーを吸収します。このエネルギー吸収を可能にする主な素材は、ガラスフォームです。これを上部のCLSM(制御された低強度素材)やトップコーティング(表層コーティング材)層と組み合わせることにより、ランディングギアに負荷を与えず航空機の速度を減少させます。
(図説明:上からトップコート、CLSMスラブ、ガラスフォーム、舗装面)
構成について
- greenEMASは、すべて現場で施工されます。
- 特定の航空機をサポートすることができる舗装基盤が必要です。
- 基盤が調整されたら、アンカーおよびジオグリッドを設置します。アンカーとジオグリッドのレイアウト間隔は、個々の航空機からのジェットブラスト耐性要件を満たすように調整されます。
- ガラスフォームは、ジオグリッド間の所定の位置に注がれた後、圧縮され、最終的には平らにされます。
- CLSMの初期養生後、ベッドは使用可能となり、滑走路を使用することができます。
- CLSMの養生が完了すると、トップコーティングを施すことができます。このトップコーティングは、EMAS全体をコーティングする多層系素材で、環境より保護します。
施工時間について
比較的短時間で完了します。空港の要件に応じて、数日の夜間、または完全な滑走路の閉鎖時に設置可能です。例えば、シカゴ・ミッドウェイ国際空港での初期設置は、56時間でほぼ完成しました。
材料の保存について
工事に先立ち、最も多く保存される素材はガラスフォームです。この素材は、大量に出荷されても成分の影響を受けないため、戸外での野積みストックが可能です。保存の際に一部のトップコーディング成分は水分に対しても敏感なため、使用するまで乾燥した場所に保管する必要があります。ベッドを構成する他の素材は、成分や温度に敏感ではありません。設置後の迅速な復原等を容易にするために、少量の素材を空港内外に保管することもできます。
greenEMASの修復について
航空機侵入時のベッド損傷部分は、その他の領域に影響を与えずに修復することが可能です。これはgreenEMASの大きな利点の1つでもあります。修復作業には5段階が必要となります。
- 損傷したCLSM/ トップコーティング層の切り取り
- 破砕したガラスフォームの除去
- ジオグリッドのアンカーシステムの修理または交換
- 新しいガラスフォームの配置
- CLSMとトップコーティングの施工
修復は、CLSMの初期養生を含めて数時間で完了することもできます。現場に必要な材料が保管されていれば、EMASの使用不能時間を大幅に短縮することができます。
ランウェイセーフ・グループ社のgreenEMASシステムは、広範囲にわたる研究開発ののち、2012年米連邦航空局(FAA)によって認定され、それ以降AC 150/5220-22Aの必要基準に適合しています。オーバーランをした航空機を安全に停止できるように設計されています。
ランウェイセーフ・グループ社は、greenEMASの改善と最適化に関連する開発活動を継続して行っています。同社では、短期的な建設方法の改善、より長期の設計、施工の向上とオーバーランテストを実施しております。また、材料レベルのテストや評価は、多くの側面が関与しますが、ランウェイセーフ・グループ社は開発努力を支援するため、契約を介して他のグループや組織、または他の機構との関係を継続しております。2014年に、初めてシカゴ・ミッドウェイ空港へ導入以来、今も尚、より良いものをお客様にご提案できるよう、製品改善を惜しむことなく、発展し続けております。
ランウェイセーフ・グループ社製品紹介ビデオ 【greenEMASシステム】
greenEMASの導入事例
2014年:シカゴ・ミッドウェイ空港
2016年5月-7月:スイス・チューリッヒ国際空港
2017年12月:(フランス領島)レユニオン島ローランギャロス空港
2018年4月:(フランス領島)マヨット島空港ダウディ=パマンディ国際空港
2019年4月:ドイツ ザールブリュッケン空港
2019年9月:東京羽田国際空港
2019年10月:英国 ノーソルト空港
2022年8月: ブラジル コンゴーニャス空港
現在(2023 9月11日)までEMASは、アメリカにおいて121箇所の滑走路端71空港で使用され、21のオーバーラン事故で21の航空機を拘束し、430人のクルーと乗客を大きなけがなく助出させています。
アメリカ連邦航空局が公表しているFact Sheetの詳細はこちらから↓